ボルドー5大シャトーの1つである”シャトー・マルゴー”とは?歴史や特徴を解説
ボルドー5大シャトーの1つであるシャトー・マルゴー。名前は聞いたことがあってもどうして有名なのか気になる。さらに値段も知りたいし、飲むならおいしく飲む方法を知ってみたい。このようなことありませんか。
この記事を読むことで、シャトー・マルゴーの歴史から価格、どういった飲み方ならおいしく飲めるのかがわかるようになります。
シャトー・マルゴーの基本情報
シャトー・マルゴーは世界で最も高い名声のワインの1つです。メドック地区にある4つの1級格付けワインの銘柄の1つで「最も女性的なワイン」と形容されています。
飲み頃を迎えるには最低でも生産から10年経過してからで、偉大なヴィンテージのシャトー・マルゴーは30年もの時間が必要となります。
長期間熟成させることで、メドック1級ワインとしてふさわしい魅力的な味わいとなります。
生産地
フランスのメドック地区 マルゴー村
生産者
ピエール・ドゥ・レストナック
格付け
メドック1級
品種
カベルネ・ソーヴィニヨン75%、メルロー20%、プティ・ヴィルド3%、カベルネ・フラン2%
シャトーマルゴーの歴史と農家の進化
シャトー・マルゴーが最初に登場するのは12世紀になってからです。多くの貴族らの手によって所有されていたマルゴーですが、1570年代に「ピエール・ド・レストナック」という貴族が所有したことで有名となる転機が訪れるのです。
ピエール・ド・レストナックが所有者になってからは、ブドウ畑を増やしてワインの生産を大幅に増やしてゆきました。その結果、現在のシャトーを築くことになるのです。
しかし、1970年代になるとシャトー・マルゴーは一時的に名声を落としてしまうことになります。
なぜならヨーロッパのブドウ畑は、ウドンコ病や、ベト病、フィロキセラと相次ぐ被害に見舞われてしまうからです。その結果「ワインの大暴落」となってしまいシャトー・マルゴーも大打撃を受けることになります。
しかしそれを挽回した人物がギリシャ人の「アンドレ・メンツェロプロース」です。
アンドレ・メンツェプロースは、有名な醸造学者のエミール・ベイノーを顧問として迎え入れて醸造設備を整備したり、新樽を使用した熟成方法を導入します。
こうした努力を長年続けていった甲斐があり、シャトー・マルゴーの名声を取り戻すことに成功します。
1980年にアンドレ・メンツェプロースがなくなると、娘のコリーヌ夫妻と総支配人のポール・ポンタリエがシャトーの運営を引き継ぎます。
しかしポール・ポンタリエが2016年に亡くなると次の総支配人はフィリップ・パスコールに代わります。
フィリップは、ポンタリエのもとで20年ほどマルゴーの醸造に携わっているので、シャトー・マルゴーの生産方法を熟知した貴重な人物です。
シャトーマルゴーの名声を取り戻すまでの道のりは決して平坦ではありませんでしたが、それでも幾多の試練を乗り越えて諦めずに努力し進化していきました。
結果、現在も高い品質のワインを作り上げ1級ワインの座を確固たるものにしているのです。
シャトー・マルゴーをおいしく飲むには
ここでは、シャトー・マルゴーをいかにおいしく飲むのかをご紹介していきます。主に3つの飲み方をみていきましょう。
シャトー・マルゴーを飲むときの適性温度
シャトー・マルゴーの適正温度は16℃〜18℃です。主に渋味の多い品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンを使用した赤ワインの適正温度です。
適正グラス
シャトー・マルゴーをおいしく飲むには、ボルドー型のグラスを選びましょう。グラスに注いで温度が少しずつ上がり、渋味を軽減するように設計されているからです。
ボルドー型のワイングラスは、渋味があり力強い味わいのワインをおいしく飲むのに最適です。
相性の良い料理
シャトー・マルゴーは上質な素材を使用したコクのある料理とよくあいます。例えば、和牛のヒレステーキや、クリーム系パスタにトリュフを載せる。こういった料理とシャトー・マルゴーを合わせることでよりおいしく飲むことができるでしょう。
シャトーマルゴーの飲み頃と当たり年
ワインには当たり年が存在します。ここではシャトー・マルゴーの過去の当たり年と飲み頃をみていきましょう。
飲み頃
シャトー・マルゴーはブドウの収穫からおよそ10年〜30年ほど熟成させると、とても芳醇な味わいとなります。また上質なカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどの品種は40年後に飲み頃がやってくる場合もあります。
当たり年
次にシャトー・マルゴーの当たり年をみていきましょう。
シャトーマルゴーは、1961年、1982年、1990年、2000年、2009年、2010年、2015年、2016年の8つが当たり年となっています。
シャトー・マルゴーの価格
シャトー・マルゴーの価格はおよそ7万〜30万ほどと幅広くなっています。その年の気候により生産量の増減があり、その分価格にも差が出ています。
シャトー・マルゴーのまとめ
シャトー・マルゴーは過去に幾多の困難な状況も乗り越えてきました。
天候の不順などで一時的に名声を落としそうになりましたが、引き継いだ責任者の多大な努力によって現在もメドック1級の格付けワインとなっております。
シャトー・マルゴーを好んだ歴史上の人物で「あなたにとっての幸せとは何か」と質問された際に、シャトーマルゴーを飲むことと答えた人物もいるほどです。
ここまで長期間に渡って人々を魅了してきたワインであるシャトー・マルゴー。世界中で注目され、最もブランド力のあるワインといっても過言ではありません。